宗道臣は「単に武道団体を創始したかったのではなく、敗戦した後の日本の若者の堕落ぶりは目を覆わんばかりであった。荒廃した日本民族の自立を再度うながすべく、一人でも気骨ある若者を育てる教育の場を創造したかった」と回顧している。
そして自らの想いを実現すべく一時期仏教の教えを説く試みをしており、これが合わさって真の武道、宗門の行としての少林寺拳法を立ち上げる動機となった。
武道としての少林寺拳法の本来の位置づけは、宗教法人金剛禅総本山少林寺に伝承する霊肉一如の修行法であり、その修練をとおして、精神修養・護身練胆・健康増進の三徳を兼備し、金剛の肉体と不屈の勇気、円満な人格、思いやりと優しさを持った人々を多く育てあげて、それにより人々が平和で幸福な理想社会を実現する為の力を獲得する真のリーダーづくりであるという。つまり、人造りによる国造りの大道が本来の目的であるとされる。そうした意味で、宗教団体というより、また、武道団体というよりも、社会教育団体という言葉の方が似合う位であるとされている。
少林寺拳法の技術は剛法・柔法・整法の3つの体系に分けられている。
剛法…突きや蹴りといった打撃技
柔法…間接技で相手を投げる、抑え込む
整法…関節の仕組みや経脉(ツボ)を利用した整体、整骨の技法
これらをバランスよく習得することが重要とされまた段位が上がるにつれ、刃物への対処や棒術なども修めていく。
少林寺拳法は基本的に、全ての技がカウンター技となっている。
これは
・護身術なので、人に襲われた場合を想定している
・先に手を出させ、正当防衛を成り立たせるため
といった理由がある。
護身術らしく、殴りかかられた場合の反撃法はもちろん、胸ぐらを掴まれた場合や、急に腕を掴まれて引っ張られた場合などの対処法も充実している。